いま大注目の国民民主党の玉木雄一郎代表と弁護士の橋下徹さんに、今後、どんな政局に突入していくのか聞く。 11日は、30年ぶりの決選投票となった総理大臣指名選挙や、自民党との党首会談など、玉木代表にとってめまぐるしい日となった。 ■朝から不倫報道 昼は石破首相会談 国民民主党・玉木代表の一日 この記事の画像(9枚) 特別国会の初日となった11日、国民民主党の玉木代表は、真っ先に石破首相と会談。 国民民主党 玉木雄一郎代表:今こそ手取りを増やす経済政策をやるべきだと(石破首相に伝えた)。103万円の壁、基礎控除を引き上げる政策、ぜひ協力してくれとお願いした。 今回の選挙で躍進し、キャスティングボートを握った国民民主党。 午後の首相指名選挙では、玉木代表をはじめ国民民主党の全員が、玉木代表に投票。 30年ぶりの決選投票となった国会で、一挙手一投足が注目される玉木代表ですが、11日朝、出鼻をくじかれるまさかの事実が…。 ■「『103万の引き上げをやってこい』と妻からも言われた」 国民民主党 玉木雄一郎代表:報道された内容はおおむね事実です。心からおわび申し上げます。 週刊誌で、高松市の観光大使を務める女性との不倫疑惑が報じられ、謝罪。 代表を続投することになったものの、政局への影響は避けられないと思いきや…。 国民民主党 玉木雄一郎代表:今回の(不倫)騒動を挽回するためにも、『全力で103万の(壁の)引き上げをやってこい』と、妻からも息子からも言われました。 …と、やる気満々。 果たして、国民民主党が掲げる政策は実現するのか、この後、大忙しの1日を終えた玉木代表に直接聞く。 ■自身のスキャンダルについて「心からおわびを申し上げたい」 政局が動く1日のスタートは、ご自身のスキャンダルの会見から始まった。その受け止めについては。 国民民主党 玉木雄一郎代表:本当に情けない話で、お騒がせをして申し訳ございません。家族のみならず、大きな期待をいただいた、全国の皆さんに、まず心からおわびを申し上げたいと思います。 同時に、わが党への期待というのは、『手取りを増やす経済政策』。特に103万円の、基礎控除の引き上げで、税負担を減らして、そして経済を活性化する。また働き控えをしている人をなくして、経済を元気にしていこうという政策です。政策を何としても実現したい。 私は今回、本当にご迷惑を掛ける事態を起こしてしまったので、優秀な仲間が国民たくさんいますから。今も交渉に既に入っている、政調会長の浜口誠さん、参議院議員・政調会長の古川 元久さんが一生懸命、いま交渉に当たってくれていますので、仲間の力も借りて、なんとかこの約束をした103万円の引き上げを実現したいと思っています。 ■どうやって玉木雄一郎信頼したらいいのか?「死に物狂いで取り組んでいく」両院議員総会でも代表続投することに決まった。 番組コメンテーターの共同通信社の編集委員の太田昌克さんはこのように話す。 共同通信社 太田昌克さん:非常に『信なくば立たず』政治家の根本原理だと思います。私自身、高松支局にも2年ほどおりまして、やはり多くの讃岐の皆さんが政治家で思い描くのは大平正芳です。玉木さんもご縁戚でいらっしゃるんですかね。色々、大平さんのサポーターが熱烈に玉木さんを応援されてこられた経緯も知ってます。 大平さんというのは、昔、土曜で半ドンだった頃、総理時代もだと思うんですが、本屋に行かれて新刊の並びを見て、世情がどういうふうに、人々の人心はどこにあるのか、関心は、お困りごとはなんだろうかと、絶えず民意に耳を澄ましておられた。 私、残念なのが、今回この選挙戦、総選挙という大一番を迎える中で、一番国民の皆さんに声を聞かなきゃいけない時期に、こういうスキャンダルがあった。 ズバリ聞きますが、どうやって玉木雄一郎信頼したらいいのか。どうやって信頼回復を図りますか。 国民民主党 玉木雄一郎代表:まずは一番身近にいる家族に対して、謝り続けなければいけないと思います。許してもらえないかもしれませんが、一生謝り続けていきたいと思います。同時に、先ほど多くの方に期待を寄せていただいた。その期待をなんとか回復して行くためには、やはり1つ1つ政策実現。 『私だけでは、もうできない』そういったご指摘もいただきますから、先ほど申し上げた優秀な仲間と一緒に、とにかく掲げた政策を実現する。このことをもう死に物狂いで取り組んでいきたいと思っています。 共同通信社 太田昌克さん:結果が出なかったら、党首の座を辞するという、そういう覚悟もありますか? 国民民主党 玉木雄一郎代表:しっかりと仲間と一緒に、死に物狂いで取り組んでいきたいと思います。 ■「不倫問題と仕事は、切り離す、そういう思考があってもいいのじゃないか」と橋下氏橋下さんは「スキャンダル気を付けるように」と言っていたということだが…。 橋下徹さん:きょうのお昼に、関テレの生放送の番組で、一般の方々の感覚に敏感な女性タレントの方が、『今のこの時期に、こういうスキャンダルっていうのは、非常に不信感。それから不快な思いを抱いた』という声がありました。 やっぱりこれが多くの有権者の感覚ではあると思うんですが、ただ僕は、もうそろそろ不倫問題とそれから仕事というものは、切り離すという考え方も、われわれは有権者、特に国民、これ政治家に限らず、そういう思考もあっていいんじゃないかと思います。 これは玉木さんご家族の問題ですから、玉木さんがご家族ときちんとこの問題解決にあたってもらい、それから今回の相手方女性。今は女性の気持ちというところも、しっかり考えなきゃいけない、そういう時代になってきてるので、そこも玉木さんがプライベートな問題としてしっかりと対応する。 その上で、僕はその問題とは別に、しっかりと政治をやって、103万の壁という問題提起は、今までの政治家がやらなかった非常にものすごい政治的な課題の設定だと思う。実際に朝から昼から夕方までみんなこの政策論争ですよ。これはもう玉木さんの政治的な体力前の功かなと思うから、プライベートの問題をしっかり解決していただいて、本当に政治頑張ってくださいよ。玉木さん。 国民民主党 玉木雄一郎代表:橋下さんの言葉に甘えないように、しっかり身を正すところは正して、反省すべきところは反省して、取り組んでいきたいと思います。 ■党首会談で手ごたえは?「必ずしも反対ではなかった」と実感11日、石破首相と党首会談が行われた、国民民主党の政策だ。 ・年収103万の壁 撤廃 党首会談したが、石破首相からどんな回答を引き出すことができたのか? 国民民主党 玉木雄一郎代表:103万円の壁をわれわれは178万円まで上げようと。103万円が決まったのは、1995年、29年前です。その時の最低賃金の水準から、いま1.73倍になってますので、せっかく最低賃金あげた、時給が上がってきたのに、103万円の壁があるばっかりに、わざわざ時間を減らして103万に抑えていると。 これ難しい言葉で、“供給制約”が起こっているので、もっと働きたいのに働けないという状況を解消すれば、お店をもっと開くことができる。特に年末の、この稼ぎ時の年末調整のときに、わざわざ店を閉じたリ、時間短くしてるのは、もったいないじゃないですか。 ここを開けるようにして、売り上げを立てて、利益を上げて、そして来年の賃上げにもつなげることができるし。何より、消費税も法人税も増えていくので。トータルとしての経済の効果です。 所得が増えれば、もちろん消費も増えますので、需給面への影響と供給面への影響を持った、実は非常に優れた政策だと思うので、単に税収が減るだけではなくて、全体像を考えた経済政策として、ぜひ政府与党と検討して行きたい。協議して行きたいと思っています。 その会談を石破首相と行って、手応えはあったのだろうか。引き出せた言葉はあったのか。 国民民主党 玉木雄一郎代表:ちょっと他のこと、色々話してたので、そこに突っ込んでということじゃなくて、具体的な話は政調会長レベルにしましょうっていうことだったんですが、われわれの思いはお伝えしましたし、石破総理もこの引き上げていくことに対して、必ずしも反対ではなかったと思いますので、ぜひ実現に向けて、これからアクセル踏んでいきたいと思います。 ■「古いゾンビのような税制を改めて、新しい時代に適用したものへ」この国民民主党の訴えを、「どこまで自民党がのむのか」ということにもなる。 橋下徹さん:駆け引きの話の前に、玉木さんちょっと最近、主張をかなり修正をしてしっかりメッセージ出していただきたいと思ったのが、これは103万円の壁っていうのは、働いてる本人の非課税枠を増やすだけじゃなくて、これ僕も大学生の子供いるんですけども、本人じゃなくて親の扶養控除が外れるっていうことが大変な問題。 特に特定扶養控除は大学生が多いですから、これ非課税枠を増やすだけじゃなく、いま玉木さんも主張されてますけど、特定扶養控除、扶養控除を外さないということもワンセットでということでいいんですよね。 国民民主党 玉木雄一郎代表:きょうは、石破総理にワンセットで要求しました。働いている学生の税負担を下げることと同時に、その親の税負担が103万超えると、63万円の特定扶養控除が外れてしまうので、親の負担がむしろグッと上がるんですね。 セットで考えないと、結局いくら本人の税負担下げても、父さんお母さんの負担が増えると思って、103で抑えようとする学生さんいっぱい出てきますから、19歳から23歳ですけども、セットでわれわれは引き上げていきたい。 橋下徹さん:これは基礎控除引き上げっていう話が、扶養控除のところの引き上げで、これは特定扶養控除大学生を持ってるお父さんお母さんの扶養控除だけじゃなくて、もう一つの配偶者の方の扶養控除も引き上げていくということでよろしいわけですね? 橋下徹さん:もう1つ。自民党との駆け引きのところは、まだここで結論を出せないと思うんですが、野党の数というところも考えて、全部100点満点、自分たちの主張を通そうというのも、やっぱこれもちょっと違うと思うので、どこがミニマム絶対ラインなのか。 僕は消費税のところは、玉木さんの主張を考えると、ちょっとこれは柔軟に考えてるのかなと思っていて。103万円とトリガー条項ガソリン税のところ、これはもう最低、これだけは絶対認めてもらわなきゃいけないっていうことでいいんですか? 国民民主党 玉木雄一郎代表:最優先課題の2つであることは、間違いありません。いずれも税制の問題で、103万の基礎控除の水準が決まったのは1995年、29年前。ガソリン税の暫定税率は1974年、50年前ですから。30年前、50年前の古いこのゾンビのような税制を改めて、新しい時代に適用したもの、あるいはインフレ時代に適用したものに変えていこうというのが、私たちの主張。 これは一定の合理性があると思います。ぜひこの2つは、年末の税制改正、今月が山だと思いますけれどもここでぜひ果実を取りたいと思います。 橋下徹さん:裏を返すとこの2つを取れれば、補正予算には賛成ですか? 国民民主党 玉木雄一郎代表:はい大きな要素にはなると思います。 橋下徹さん:そうすると予算案はまた別。この2つを取ったら、予算案、防衛増税も賛成になるんですかね? 国民民主党 玉木雄一郎代表:これ1つ1つですね。政策ごとに判断して行きたいと思っています。 (関西テレビ「newsランナー」2024年11月11日放送)
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