自国以外はすべて潜在的な敵、もしくはライバルである。これが世界の常識だが、日本は軍事力を現在の「同盟国」アメリカに頼り切っている。「同盟」というものは便宜的で、一時的な絆でしかないことを認識すべきだ。
日米安全保障条約:外務省外交史料館(東京都港区)で展示されている署名 ロシアを中国に異常接近させたバイデン 世界の常識とは自国以外はすべて潜在的な敵、もしくはライバルである。「同盟」なるものは便宜的な、一時的な絆でしかない。 冷静にバランスオブパワー理論に基づくなら、日米の主要敵は中国なのだから、その背後にあるロシアを味方にするのが「上策」、少なくとも中立化させるのが「中策」。 ところがロシアをして中国に異常接近させてしまったのだからバイデン政権は「下策」を自ら選択したほど愚昧(ぐまい)なのである。
プーチンと習近平(習近平のロシア訪問 2023年3月) トランプ前大統領がバイデン大統領を「稀な間抜け」と言ったのはそういう戦略的判定からである。トランプも『孫子』の愛読者ではないかと思われる理由は、プーチンを尊敬し、ロシアとは仲直りをすべきだと唱えているからだ。中国を孤立させる外交戦略を考慮しているのだ。 トランプは直近の『タイム』(2024年5月27日号)でも、NATOが防衛分担を増やさないなら、アメリカは欧州を守らないと脅しをかけた。西側同盟に根源的な疑義を呈した。 「台湾を守るかどうかは最後まで曖昧にする」とも言った。それも交渉ごとでは基本のルールだろう。であれば、アメリカは日本を守るのか、どうか? 日本は軍事力を持たないのに(自衛隊は制約が夥(おびただ)しく手足を自由に使えない。世界の常識で言うところの軍事力ではない)、「主権国家」だと言い張っている。国内に外国の軍隊が駐留しているのに「独立国家」だと主張している。国際政治の基礎がねじ曲がっている現実を正面から見ようとしない。 (责任编辑:) |